- 01そもそも「テレワーク」って、
どういう意味? -
そもそも「テレワーク」って、どういう意味?
「tele=離れた場所」、「work=働く」を合わせた造語で、場所や時間に捉われない自由な働き方を意味します。テレワークを行う人を、テレワーカーと呼び、国土交通省の定義では「1週間に8時間以上、職場以外でICTを使って仕事をする人」となっています。
ICTって、ITとちがうの?
ITはInformation Technologyの略。ICTは、Information and Communication Technologyの略で、IT技術を活用したコミュニケーション方法のこと。インターネットを利用して、人と人や人とモノが繋がるところがポイント。メールやSNSもICTです。
ICTを活用すれば、いろんな働き方ができますね。
テレワークは働く場所によって3つに分けられます。自宅で働く在宅勤務、移動しながらのモバイルワーク、勤務先以外のオフィススペースで働くサテライトオフィス勤務です。
- 02テレワークを導入して
何が変わるの?
仕事がしにくくなるんじゃないの? -
業務の生産性が下がることはありませんか?
そんなことはありません。
急な打ち合わせや来客などで中断が入らない分、業務に集中でき、生産性が上がると言われています。テレワークになじまない仕事もありますよね?
すべての仕事をテレワークで行う必要はありません。オフィスで実施する仕事と、テレワークで実施する仕事を整理・区分することが重要なんです。
チームワークが悪くなるんじゃないかと心配です。
顔を合わせなくても情報の共有や連絡ができるから大丈夫。Web会議やチャットツールなどを活用することで職場に近い環境が実現できます。
- 03テレワークには
どんなメリットがあるの? -
経営的にはどうですか?
オフィスの賃料や従業員の交通費などコストの削減ができる可能性があります。
柔軟な働き方ができることは会社の強みとなり、企業イメージの向上につながるから、優秀な人材の確保にも貢献すると言われています。災害の時にも仕事は続けられますね。
社員が出社できなくても働ける環境を整備し、オフィスを分散させておくことで、災害時でも業務を継続することができます。
ウイルス感染や地震、水害など非常災害時の備えにもなります。テレワークで通勤はラクになるけど、他にはどんなメリットがあるの?
従業員の立場からすれば、プライベートも含めたスケジュール調整がしやすくなります。子どもの送り迎えや介護の時間が取りやすくなります。
- 04いろいろなツールや
サービスが出回っているけど、
どんな基準で選べばいいの? -
ツール選びにも迷ってしまうのですが…
テレワークの円滑な運用にはコミュニケーションツールの活用がカギになります。ツールを選ぶ際には必ず「自社の規模・ニーズに合ったものは何か」という視点で検討するようにしましょう。
コミュニケーションツールとして重要なものは何ですか。
Web会議システムや、テキストで情報のやり取りを行うチャットツール、オフィスのPCを遠隔操作できるリモートアクセスシステムなど、ICTツールが必要となります。
どんな点に配慮して選べばいいですか?
例えば、Web会議の場合、会議を円滑に行うには、映像・音声が快適にやり取りでき、接続が安定していることが不可欠です。
ツールの性能も重要ですが、通信回線の品質にも配慮が必要です。
- 05社内体制は
どのように整えたらいいの?
仕事の管理・評価が
面倒になるのでは? -
テレワークではどうやって勤務状態を把握するのですか?
2つのポイントがあります。
一つは開始時/休憩時/終了時の管理、もう一つは在席確認。勤怠管理ツールを活用するとスムーズに管理が行なえます。働く人の時間が自由になる反面、管理が複雑になるのでは?
業務時間の記録を正確に残すことが大切※。通院など私的な事情で仕事を中断する場合は、その都度記録を残す必要があります。事前に社内でルール化することをお勧めします。
※2019年4月1日の労働基準法の改正に伴い、事業者が客観的に業務時間を把握することが義務づけられました。就業規則の新規作成・変更時には所轄労働基準監督署への届け出が必要です。
従業員の評価が難しくなりませんか?
テレワーク実施日に、実施する仕事を明確にして、その成果によって勤務評価をすることが基本です。勤務態度ではなく成果物で判断するなど、評価基準を変えることも想定した方がよいと思われます。
- 06ネットワーク環境が
不十分な場合、
どのような対応が必要なの? -
我が社のネットワーク環境でテレワークが実現できるのかわからないのですが…
テレワーク導入にあたって整備が必要な項目は、
- 従業員に支給するPC
- 社外からのネットワークアクセス環境
- オンライン会議環境
これらをしっかりチェックしましょう。
個々のPCはどうすればいいの?
テレワーク時のPCは会社支給にしたほうが安全です。最近では「シンクライアントPC※」が注目されています。
※シンクライアントPC=「薄い、少ない」という意味の「シン(Thin)」と、「クライアント(Client)」を組み合わせた用語。端末の機能を最小限にし、アプリケーションやデータをサーバー側で実行し、管理する仕組みだから、情報漏洩対策にも有効です。クラウドの利用で、さらに活用が広がります。
早く手軽に環境を整える方法はありませんか?
端末でWeb上からアプリケーションにアクセスし、場所や時間を問わずに業務システムを利用できるクラウド方式がオススメです。
クラウドサービスを導入するだけで、テレワーク用のIT環境をほぼ構築できる場合もあります。
- 07セキュリティが大切なのは
わかるけど、
重要なポイントは何ですか? -
セキュリティ対策の基本は何ですか?
「ルール」「人」「技術」の3つのバランスをとることが重要だと言われています。
「ルール」は、アクセスを許可された人だけがその情報にアクセスできる状態や、情報が改ざんされたり消去されたりしない状態を保つことなどを目的とした取り決めです。「人」ってどういう意味ですか?
従業員への教育・啓発活動などを指します。
ID・パスワードの管理方法、ウイルスチェックの必要性、パソコン・USBメモリや紙資料の紛失盗難が発生した場合の連絡先など対応について学んでもらうことが大切です。「技術」はウイルス対策ですか?
ウイルス対策はもちろん、不正アクセス対策、ネットワークの暗号化、ID/パスワードによる認証等さまざまなものがあります。
どのような業務を社外で実施するのかをふまえて検討しましょう。
- 08セキュリティ面で
どんなトラブルがあるの?
どのような対応が必要なの? -
どんなトラブルが想定されますか?
人の手による情報漏洩もありますが、不正アクセスやコンピュータウイルスなどによって起こるトラブルが増えています。外部からのアクセスを制限するファイアーウォールの導入や、不正アクセスを検知・排除するための二重、三重のガードが必須です。
どんな点に注意して対策を考えればいいですか?
セキュリティ対策にはシステムやアプリケーションの安全を守る技術的な対策と、PCやデータが見られたり盗まれたりしないようにする物理的な対策があります。この両面に配慮することと、技術的な対策はどんどん進化するので、新しい情報に敏感でいることが大切です。
みんなが守るルールが必要ですね。
情報セキュリティに関する基本方針や行動指針を定めた「セキュリティガイドライン」が必要です。
オフィス外からのアクセスや、Eメールの送受信などに関する制限、顧客との打ち合わせで発生するデータや端末持ち出しの手続き方法などをまとめておきましょう。
- 09何から始めればいいの?
スムーズに導入する手順は? -
テレワーク導入はどんな流れで進めると効率的ですか?
以下のような適切なステップをふむことが大切です。
- テレワーク導入目的の明確化
- テレワーク対象範囲の決定
- 現状の社内制度を把握する
- 導入計画書・セキュリティガイドラインの策定
- 実施環境の整備
目的は一つに絞るのですか?
複数あってもかまいません。自社の課題と照らし合わせて設定しましょう。
- 【 例 】
-
- 社員の職場環境に対する満足度の向上
- 交通費やオフィスコストの削減
- 多様な人材の獲得
- 企業イメージの向上
「対象範囲」とはどんなことですか?
「対象社員」「対象業務」「実施頻度」のこと。最初から全社員・全業務を対象とすると、社内が混乱し、仕事に支障が出る場合があります。お試し期間(トライアルなど)を設けて、社員や部署を限定して開始するのがポイントです。
- 10テレワーク導入を支援してくれる
会社や
サービスを選ぶ
ポイントは? -
テレワーク導入をサポートしてくれる会社がいろいろあって、どう選んでいいのかわからないんですが?
テレワークはツールを入れて、すぐに実現できるものではありません。多面的な検討が必要で、セキュリティに強いかどうかは必須ポイント。
基盤となる通信回線まで含めてワンストップで対応してくれる会社だとスムーズです。なぜ通信回線が大切なのですか?
新型コロナウイルスの影響でテレワークの利用が急増しました。そのためアクセスが集中してシステムに過剰な負荷がかかり、サービスを停止した会社もありました。業務を円滑に行うために通信品質を安定させることが重要です。
具体的にどうすればいいの?
インターネット接続環境の見直しが必要です。
高い利用率を想定した回線の増速や法人向け専用の回線サービスに切替えの見直しをお勧めします。
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