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トークネットのコミュニケーションマガジン

御菓子司 大阪屋

青森県弘前市本町20
TEL.0172-32-6191

手から手へ受け継がれる
豊かな城下町の菓子文化と心

今も城下町の風情が街のそこかしこに残る青森県弘前市。
ここで380年以上、味を守り続けている老舗「御菓子司 大阪屋」。
昔ながらの手技で作られる菓子は、もてなしの心にあふれています。

時代とともに歩む弘前藩の御用菓子司

津軽富士とも呼ばれる秀麗な岩木山を望む青森県弘前市。津軽十万石の城下町として栄え、築城400年を超えたこの街は、今も往時の面影が残されています。桜の名所として知られる弘前城の追手門から南へ歩いてすぐ、蔵造りの重厚な建物が印象的な「御菓子司 大阪屋」。初代・福井三郎右衛門が、津軽二代藩主・信枚(のぶひら)の命で藩の御用菓子司となって以来380年以上、その味を受け継いできました。店内には津軽藩の家紋である牡丹が描かれた螺鈿(らでん)細工の菓子入れが並んでいます。

創業は江戸時代初期の寛永7年(1630)。「豊臣家の家臣だった初代が、大坂冬の陣、夏の陣に敗れて、縁を頼って弘前に移住したのが始まりです」と、13代目の福井清さん。幼少の頃から11代目の祖父に付いて店に出入りしていました。「60年ぶりに生まれた男の子だったこともあって、可愛がってもらいました。餅やあんこを渡され、伸ばしたりちぎったりして遊んでいたので、門前の小僧のように自然と手になじんでいました」

手間を惜しまず技を伝える心意気

大阪屋には多くの古文書が残されています。詳細に書かれた菓子の製法、繊細な彩りで描かれた季節の菓子。その種類は数えきれないほどです。中でも、240年前から作られ続けている「竹流し」は、大阪屋を代表する銘菓。4代目が地元の尾太(おっぷ)鉱山で見た、竹に流し込んで固めた金の延べ板をヒントに生み出したものです。

まゆ玉のような形の「冬夏(とうか)」は、藩政時代から作られていた技術を残したいと、2008年から店頭販売を始めた献上菓子。仕込みから出来上がりまで3カ月かかると聞いて驚きましたが「そういうものだと思って作っているので。私たちにとっては当たり前のことです」と福井さん。製法や材料を丁寧に説明してくださったのですが、その内容は長子(長男)口伝のはず。「そうは言っても、みんなで作らないと技術は廃れていきます。作って、職人の手でつないでいくことが大事だと思っています。弘前の菓子文化を伝えていくためにも、うちだけでなく弘前の和菓子屋みんなでつないでいきたいですね」

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vol.05 2014
(PDF 8.7MB)

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