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トークネットのコミュニケーションマガジン

滴生舎(てきせいしゃ)

岩手県二戸市浄法寺町御山中前田23-6
TEL.0195-38-2511
Mail.tekiseisya@city.ninohe.iwate.jp HP.http://www.tekiseisha.com/

地域に根ざし、暮らしを彩る漆器のふるさとが守る技

八葉山天台寺が建立された約1200年前に遡る浄法寺塗。
僧により広まった塗りの技術と日常使いの漆器は、漆一滴を慈しむ人たちの手で、今もなお大切に守り、伝えられています。

「浄法寺漆」が表現する日本の文化と伝統

国産漆の6~7割を生産している二戸市浄法寺町。浄法寺町の漆は、ウルシオールの含有率が高く、良質な漆として知られています。これまで金閣寺、中尊寺金色堂、日光東照宮など、日本の代表的な文化財の保護に重要な役割を果たしてきました。二戸市と岩手県は、平成20年に「浄法寺漆認証制度」を設け、浄法寺ブランドとして品質の保持に努めています。

浄法寺塗の発祥と深い関わりがある八葉山天台寺。その昔、地元の人々は親しみを込め「御山」と呼び、僧たちにより庶民の間に広まった漆器を、「御山御器(おやまごき)」と呼んでいました。この天台寺の麓の「滴生舎」では、浄法寺の漆を使った漆器や漆芸品を展示販売。併設の工房では塗りの作業が行われています。滴生舎で塗師をしながら、浄法寺塗の普及やPRの仕事をこなす小田島勇(おだしまいさむ)さんは、「戦後、生活の変化や、安価な輸入漆の参入により、浄法寺塗は途絶えそうになりました。しかし、昭和50年代に入り、漆掻き職人の岩舘正二さんを中心に『浄法寺漆器工芸企業組合』が設立されました。そして、息子の隆さんも活動に加わり、再び漆器づくりが復活したそうです」と、話してくれました。岩舘隆さんは、小田島さんが師とあおぐ塗師です。

次の代につなぐため人を育て、技を伝える

浄法寺町では、復活した漆の文化を守り続けるため、漆掻き職人たちは漆の木を育て、塗師たちは国産漆にこだわり漆器を作り続けています。

また、町には「日本うるし掻き技術保存会」があり、約25名の職人がいます。しかし3分の2が、60代以上であることから、後継者の育成を進め、技術の向上にも取り組んでいます。現在、浄法寺町には30代から60代の塗師が10名。そのうち4名が滴生舎で漆器を作っています。滴生舎から独立して活動している人もいるそうです。

「1本の漆の木から取れる漆の量は一年で牛乳びん1本ほどなんです」と小田島さん。たいへん貴重な漆だからこそ、漆掻き職人は、一滴の無駄もなく大切に採取し、塗師は貴重な漆を大事に使い、製品を作っているのです。使うほどに味わい深い浄法寺の漆器。

漆のふるさとでは、伝統の技が大切に受け継がれています。

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vol.08 2014
(PDF 10.5MB)

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