新潟県小千谷市片貝町4935
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江戸時代後期の宝暦元年(1751年)に創業した紺仁。初代・松井仁助が藍染めを始めて以来、260余年にわたり染め物屋として暖簾を守り続けてきました。新潟の中でも雪深い越後地域は、厳しい自然条件のため元々藍染めには適していません。しかし、工夫を重ね独自の染色方法を生み出し、黒ずんだ力強い藍色が特徴の越後正藍染めを完成させました。
この藍色をジャパンブルーと称する11代目当主・松井均さん。「藍は紺仁が一番守るべきもの。藍染めは庶民の染め物であり、昔は藍染めを生業とする紺屋が全国にありましたが、今では県内でも2軒になりました」。藍染めの技法を守り続ける紺仁は、全国的にも貴重な存在です。
藍染め液はタデ科の藍という植物の葉から作られますが、液の中にはバクテリアが生きており、毎日面倒を見なければなりません。「バクテリアが活発になるのは25℃ぐらい。舌でなめれば藍の調子が分かります。元気がないと思えば、お酒や小麦粉を練ったものを入れて、バクテリアを活性化させます」と松井さん。常に藍が良い状態であるよう、一日の休みもなく藍の管理に神経を使います。
紺仁は、「染め」だけでなく「織り」を手掛けていることでも知られ、片貝木綿はその代表格。手仕事から作られた日用品の美しさ「用の美」の価値を賞賛し、民芸運動を起こした柳宗悦(やなぎむねよし)の甥と松井さんの父である10代目が協力して創り出した織り物です。
「伝統を守り続けるには、何代にもわたって伝承されてきた技を体得するだけでなく、時代のニーズをとらえ、お客さまの求めるものを創意工夫して作り続けなければなりません」。祖父や父の仕事を見て、その精神を受け継いでいます。呉服だけでなく、シャツをはじめとする洋装、ファッション小物やインテリア雑貨など、和装以外のものも幅広く手掛けてきました。
現在、長男の佑介さんと次男の慶介さんが工房で働いています。広報活動のため、佑介さんが紺仁のホームページを開設。ものにこだわりを持つ若い世代やシニアの方々から半纏の注文が相次いでいるそうです。「昔ながらの手業の良さが半纏に出ています。ホームページを介して、直接お客さまの声を聞くとモチベーションも上がります。昔からの技法を守り絶やさず、新たな技術も追求したい」と話します。紺仁に伝えられてきたものづくりの精神は、次世代に受け継がれています。
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