青森県青森市富田4丁目29-13
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透明で涼やかな印象を与えるガラス。津軽びいどろには温もりが漂い、何よりも鮮やかで豊かな色合いに惹かれます。
津軽びいどろを作るのが北洋硝子です。昭和24年(1949年)に創業し、主に漁業用の浮玉を製造していました。その後、プラスチック製の浮玉が主流となる中、新たな製品を模索。浮玉製造で培った「宙吹き(※)」の技術を用いて昭和52年(1977年)に誕生したのが津軽びいどろ。商標を登録し、平成8年(1996年)には県の伝統工芸品に指定されました。
津軽びいどろの特徴は多彩な色にあります。現在では、自社で原料を調合し100種類もの色を作り出しています。「溶解炉の規模、製造技法の種類、色の数、これだけの工場はほかにありません」と話すのは色の調合・ガラスの溶融を担当する工場長の中川洋之さん。一つ一つ手作りされる津軽びいどろはテーブルウェアや花器だけでなく、独特な技術を要するオーナメントなど年間に1000種類を超えるそうです。
※宙吹き…筒状になった鉄の棹(吹き棹)に溶けたガラスを巻き取り、もう一方の端から息を吹き込んで膨らませ形を作る技法。この技法は紀元前に生まれ、2000年以上も受け継がれています。
北洋硝子のガラス職人は、技術開発にも力を注いできました。高い技術を要する技法もほぼ独学で習得するなど、常にたゆまぬ努力を続けており、現在は伝統的な宙吹きをメインに、9種類の技法・製法を駆使して津軽びいどろを作っています。
宙吹きで同じ大きさ、同じ厚さのものをきちんと作れるようになるまで10年はかかるというガラス職人の世界。23人いる職人の大半が20代と若く、技術の継承にも力を入れています。「若手には現在携わっている技法を学びながら、もう一つ自分のやりたい技法を見つけ、学ぶよう指導しています」と中川工場長。やりたいことを見つけ、個々の能力を伸ばせるようにとの配慮からです。「県認定の伝統工芸士が4人いる工場も珍しいと思います」。職人の道を究める上で若手の目標になればとの考えから、資格取得にも前向きです。
かつて浮玉を吹いていた先達の技術・精神を継承した熟練職人と若手職人が心を合わせ、新たな技術と時代のニーズを取り入れながら、ガラスの可能性を探究する日々。継承と探求を両輪に、魅力あふれる津軽びいどろが脈々と作り続けられます。
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