青森県弘前市金属町4-1
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青森県津軽地域では古くから製鉄が盛んに行われており、大規模な製鉄炉遺跡群や奈良時代から平安時代に使われていた鉄製の刀が発見されています。江戸時代には、弘前城下に100軒以上の鍛冶屋が軒を連ねる鍛冶町が形成されていました。
代々鍛冶を生業とする二唐家は、津軽藩お抱えの鍛冶師として腕をふるい鉄砲や大砲などを製造。作刀も命じられ、以来、刀鍛冶として作刀技術を受け継いできました。中でも、5代目の刀匠・二唐國俊は伝統技術に金属理論を取り入れ、優れた刀剣を生み出す名匠として知られました。戦後は作刀技術を生かして包丁や刃物を製造。2007年に津軽打刃物として青森県伝統工芸品に認定されました。
現在は、國俊氏の孫にあたる吉澤俊寿さんが7代目として伝統の技を継承。オリジナルデザインの包丁など、一つ一つ丁寧に手打ちで作っています。
また、受け継がれてきた金属加工技術を建築用鉄骨製造にも応用。弘前城天守曳屋工事では、鉄骨構造物や曳屋後の本丸仮天守台の鉄骨制作を担当するなど、溶接・鉄構事業を2本目の柱に据え、経営の安定化を図っています。
伝統の作刀技術は、地鉄に鋼を付け叩いて作る本打ち包丁に生かされています。工程は23に上り、最初は製造する刃物に合わせて、鋼と地鉄を選定。地鉄と鋼の間に接着剤である鍛接剤を撒き、火床と呼ばれる炉の中に投入します。溶ける寸前まで熱し、ハンマーや手鎚で叩いて伸ばして鉄と鋼を一体化。刃物の形に打ち鍛え、グラインダーで削り、焼き入れ、焼き戻しなど複数の工程を経て、砥石で研磨し柄を付けて仕上げます。
不器用で、もの作りが苦手だったという俊寿さん。入社して数年後、東京で行われた物産展に出展し、売る現場でお客さまの声を聞き、「いいものが売れるわけではない。買ってもらうにはどうしたらいいのかと考えるようになり、もの作りを面白く感じるようになった」と話します。伝統の技術を身に付け、独自の技法で一つとして同じ模様にならない「暗紋」を鍛造。様々なプロジェクトにも参画するなど活躍の幅を広げています。また、フランスやドイツで開催される見本市に出展し好評を博すなど、海外でも品質の高さとデザイン性で注目を集めています。
現在、8代目となる長男の剛さんが鍛造技術を磨くほか、刀匠を目指して修行中です。最初はあまり興味がなかった剛さん。作れば作るほどもの作りの奥深さに触れ、魅力を感じるようになりました。「外国の方から素晴らしい、感動したという声をいただくと、一層やる気が出ます。これからも積極的に海外展開を図っていきたい」と抱負を語ります。
世界を視野に、刀鍛冶の伝統技術と鍛冶職人としての気概が親から子へ継承されています。
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