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トークネットのコミュニケーションマガジン

一般財団法人 二本松菊栄会

福島県二本松市金色403番地1
(二本松市役所観光課内)
TEL.0243-55-5122 FAX.0243-22-8533

多くの人を魅了する菊の伝統文化

秋を彩る菊は、日本文化の象徴として古くから尊ばれてきました。二本松市では、藩政時代の頃から菊の愛好者が多く、昭和初期には神社の境内などに菊人形が飾られ、有志による菊花展や菊人形展が行われていました。

「二本松の菊人形」は、昭和30年(1955)に第1回が開催されて以来、長年受け継がれ、現在では全国有数の菊の祭典として知られています。

菊人形は頭と手足は人形で、胴体を菊で飾り付けます。胴体の下地を胴殻といい、竹ひごを芯にして稲わらを糸で巻いたものを組み合わせ、立体的に仕上げます。この胴殻を場面に合わせて姿勢や動作を整え、菊着けという作業に移ります。菊着けは胴殻にヒノキの葉を貼り付け、根を水苔で包んだ菊花の束を葉に合わせて留める作業。胴殻の内側に菊花の根元を固定し、花の部分を人形の襟元から順番に下へ、い草で留め、場面や衣裳の配色を考えながら、さまざまな菊花で彩っていきます。根付きでも、花は1週間から10日ほどで見頃を終えるため、開催期間中は4~5回ほど「着せ替え」を行います。

「二本松の菊人形」のもう一つの目玉が千輪咲です。1本の茎から枝分かれさせ、千輪以上の花が咲くようドーム状に仕上げたもので、大きいものは直径4m、高さ2m以上になります。前年の3~4月に挿し芽をして栽培を開始。電照などを調整して花芽の形成を遅らせ、摘芯を繰り返して花芽を増やし、1年半ほどかけて仕上げます。

菊人形展の会場には、千輪咲や多輪咲が多数展示されるほか、動物のトピアリー、ガーデンディスプレイなど、会場内の自然と調和した展示もあり、美しい自然を借景に菊花の華麗な世界が広がります。

観光都市を目指し菊のまちをアピール

二本松菊栄会では、長年受け継がれてきた菊人形や菊づくりの技術継承と菊による地方創生を図るとともに、あらためて菊の魅力を広く発信しようと、2016年に「菊のまち二本松ブランディングプロジェクト」を立ち上げ、新たな取り組みを始めました。

人材発掘を目的とした菊づくり教室や菊着け体験教室の開催。伝統的な技術にデザインやアートなどの手法を取り入れた花結いイベントや多輪咲のアレンジメントの展示。菊に関する商品を開発するなど、「菊のまち」のブランド化に向けて力を注いでいます。

近年、二本松の菊人形には、中国や台湾、タイなどから訪れる観光客が増加しているそうです。今後も、二本松の菊の魅力や可能性を世界へ発信し続けます。

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vol.24 2018
(PDF 13.0MB)

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