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トークネットのコミュニケーションマガジン

日本バドミントン協会 ナショナル強化部長
秋田県バドミントン協会 理事長
北都銀行バドミントン部 総監督

原田 利雄氏(はらた としお)

[ プロフィール ]
1963年秋田県生まれ。NTT東北、七十七銀行のバドミントン部を経て、2008年に北都銀行バドミントン部監督、秋田県バドミントン協会理事長に就任。現在、日本バドミントン協会理事、同ナショナル強化部長、北都銀行バドミントン部総監督。

株式会社 北都銀行
秋田県秋田市中通3-1-41
TEL.018-833-4211(代)
http://hokutobadmintonclub.jp
(北都銀行バドミントン部)

秋田から世界を目指す!
バドミントンで日本を元気に!

創部以来、試合に勝つだけでなく地域に応援されるチームであることをモットーに活動してきた「北都銀行バドミントン部」。
2008年に新監督を迎えてより強いチームへの階段をのぼり始めます。
きっかけを作った原田利雄氏に、チームや競技者を育てるということ、地元企業のスポーツチームの在り方について伺いました。

バドミントンへの想いを地元秋田へ

北都銀行バドミントン部の総監督を務める原田利雄氏が、指導者としての活動をスタートしたのは26歳の頃です。

「当時、NTT東北のバドミントン部に在籍していました。その後、七十七銀行のヘッドコーチを兼任するようになり、34歳まで監督兼選手という形でプレーしていました」

2007年、地元出身ということで招集された「秋田わか杉国体」で、指揮を執ったバドミントン競技で総合優勝を果たし、原田氏に一つの転機が訪れます。

「北都銀行から『うちのバドミントン部に来てくれないか』と誘いを受け、2004年から15年間チームを指導してきました」

北都銀行バドミントン部は、1971年に創部。1997年に日本リーグ2部へ参入し、2004年に1部に昇格しました。2015年は日本リーグ4位となり、初のAクラス入りを果たします。S/Jリーグに改称した2016年は過去最高の3位となりました。

有能な人材のバドミントン部

現在、北都銀行バドミントン部の女子チームには9名の選手が在籍しています。そのうち5名が、日本バドミントン協会の2019年代表選手に選ばれ、世界トップレベルで活躍しています。

「代表選手はA、Bとあって、Aは2020年の東京オリンピックを目指している選手たちです。北都銀行からは永原和可那、松本麻佑(2018バドミントン世界選手権大会で金メダル〈ダブルス〉)、米元小春、田中志穂(2017年BWFスーパーシリーズSSファイナルズ優勝〈ダブルス〉)の4名が選ばれています。B代表というのはその次のパリオリンピックを目指す、高校生や大学生が中心で、川上紗恵奈が入っています」

目標に合わせた練習方法を指導

2017年、原田氏は日本バドミントン協会ナショナル強化部長の就任に伴い、監督から総監督に。監督はコーチの佐々木翔氏(ロンドンオリンピック、リオデジャネイロオリンピックに出場)に引き継ぎました。

「今は、オリンピックに出場すること、メダルを獲得することが大きな目標であると思います。また、オリンピック終了後も、いかに選手としてのモチベーションを保てるかどうかも大切。選手によって、ナショナルチームに入りたい人、海外の大会に出場したい人など、目標はさまざまです。その目標を明確にしてどう向かわせるか、どんなトレーニングをすれば良いのかを折に触れて話すようにしています」

バドミントンの強豪と呼ばれるチームの1日の練習時間は約6時間。1週間で30~33時間練習しなければ、試合に勝てないと言われています。北都銀行のバドミントン部が他のチームと大きく異なるのは、平日は半日働いている点です。

「女子選手は、本店の人事、総務、地域創生、企画などの部署に勤務しています。平日は12時まで勤務し、14時から練習開始です。土・日を入れて練習時間は約20時間。他のチームより1週間で10時間以上少なくなります。しかも専用の体育館もない。そのような中で、他の強豪チームと戦い、ナショナルチームに選抜されるのは簡単ではありません。チーム練習以外にもランニングや、ウェイトトレーニングを行ったりして、自分で努力して補わなければ難しいことです」

選手のやる気を引き出し、各自の目標に合った練習方法を指導すること。原田氏は指導者としての役割をそう話します。

地域に愛され、応援されるチームでありたい

北都銀行バドミントン部のモットーは、創部以来「地域に愛され応援されるチーム」であること。

「アスリートの前に社会人であり、企業人であること。北都銀行バドミントン部として、地域貢献に取り組む意義を、新しく入った選手たちには言って聞かせています。うちのチームは地元出身の選手が少なく、北は北海道、南は鹿児島や熊本、福岡など、ほとんど県外なんです。バドミントン選手として活躍するために遠くから来た人たちには、秋田の風土や県民性をはじめは理解しにくいでしょうからね」と原田氏。

バドミントンで地元に活気を!

北都銀行バドミントン部の地域貢献活動の一つは、秋田県内に15校程ある特別支援学校でのバドミントン教室の開催です。2008年にスタートし、現在も、年間20回以上開催しています。

「支援学校には車いすや松葉杖、寝たきりの子どもたちもいます。それでも楽しそうに『監督さん、また来てね』と笑いかけてくれるんです。選手たちも感じるものがあるようで、子どもたちの応援にこたえようと頑張ります」地域の子どもたちを対象とした、もう一つの活動は、北都ジュニアバドミントンクラブです。地元の小学生から高校生を対象としたバドミントン教室で、2005年にスタートし、選手たちが直接指導します。

「年間約60回教室を開催しており、ナショナルチームに選抜されるような選手も指導に当たっています」と原田氏。

バドミントン教室は、ジュニアのレベルの向上にも一役買っており、卒業生の中には強豪校に進学する子どももいます。

原田氏は、秋田県バドミントン協会の理事長として、県内のバドミントン競技の普及・発展、底上げを図るため、チームの指導以外にマネジメント的な業務も担っています。

「昨年から秋田でも国際大会を開催するようになりましたし、2020年の東京オリンピックで、同県美郷町がタイのキャンプ地に決まりました。今年から2021年にかけては、小学校と中学校の全国大会誘致も決まっています」

北都銀行バドミントン部は一企業ではなく、地域全体のスポーツチームとして、地元に活気をもたらし、日本を元気にしています。

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vol.26 2019
(PDF 35.4MB)

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