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トークネットのコミュニケーションマガジン

久慈琥珀株式会社

〒028-0071 岩手県久慈市小久慈町第19地割156番133号
TEL.0194-59-3821 FAX.0194-59-3515
http://www.kuji.co.jp/

太古のロマンを秘めた植物由来の宝石

岩手県北部の沿岸に位置する久慈市は、国内最大の琥珀※産地であり、バルト海沿岸部やドミニカ共和国と並ぶ世界三大産地の一つとして知られています。琥珀は、太古から世界各地で珍重され、装飾品やお守りなどのほか、病気の妙薬としても使われてきました。

久慈産の琥珀は縄文時代に採掘が始まり、近畿地方の古墳から勾玉などが多数出土していることから、大和朝廷に運ばれていたことが分かっています。江戸時代には、南部藩の特産品として管理されるようになり、重要な産業となりました。

唯一の専門企業として情報発信と技術を継承

久慈琥珀株式会社は、現在、琥珀の採掘から加工、販売までを一貫して行うとともに、博物館や採掘体験場の運営など、琥珀に関する学術・文化・交流面から多様な事業を展開しています。「博物館の来館者は年間3万人前後。大人から子どもまで幅広く人気があるのが採掘体験です」と話すのは、総務財務グループの川戸道佳郎かわとみちよしろう課長代理。2018年6月、採掘体験中の来館者がティラノサウルス類の歯の化石を偶然に発見しました。「体験希望者は年々増えており、皆さん夢中になって採掘されます。久慈一帯の地層は、琥珀のほかに植物や恐竜の化石も多く、素人でも簡単に掘り出すことができるので、『奇跡の土地』だといわれます」。

採掘した琥珀の原石は、敷地内にあるワークスタジオ(工房)で選別され、製品の形に合わせて切り出します。水研ぎマシンで荒削りして、サンドペーパーで成型し、さらに研磨剤を付けて磨いた後、組み立てや金具付けを行い、検品して製品となります。こうした加工に携わる社員は10数名。「久慈の琥珀は脆いのが特徴。加工する前は、原石に入っているひびの具合をよく確認し、加工する際には、機械の回転数や押し当て方に細心の注意を払います」と話すのは、入社5年目の畠山ひろむさん。製造グループには30年超のベテラン社員もおり、日々作業する中で技術継承を行っています。

新たな文化を創造し地域の宝を未来へ

久慈琥珀では、定番のアクセサリーや宝飾品のほか、新商品の開発にも取り組んでいます。「久慈産の琥珀から抗アレルギー物質が発見され、『クジガンバロール』と命名し特許を取得。この成分を含む化粧品を製品化しました。また、琥珀を細かくして熱と圧力で固める成形技術を独自に開発し、世界初の新素材『リファインドアンバー』を製品化し、オリジナルブランドを立ち上げて販売しているほか、印鑑などにも展開しています」と新田しんでん久男代表取締役社長。いずれも岩手大学との共同研究によるもので、琥珀の新たな可能性を探求しています。

「久慈の宝である琥珀を核に、交流人口を増やす取り組みも始めました。久慈に人を呼び込むアンバーランド構想です。琥珀の歴史的・資産的価値や魅力を再発見し、好奇心を持って採掘体験に参加を促すための取り組みです」。久慈ならではの琥珀文化を創造し、美しい輝きを未来に受け継ぐ取り組みに夢と希望が膨らみます。

※琥珀…数千万年~数億年前、地上に繁茂していた樹木の樹脂が土砂などに埋もれて化石化したもの。古くから珍重品として取引され、人類最古の宝石ともいわれ、英語ではamber(アンバー)、久慈地方の方言で「くんのこ」と呼びます。久慈琥珀は約8500万年前のものとされ、南洋スギが起源樹種と考えられています。生成の過程で古代の昆虫、葉、花、樹皮などが入った琥珀は、非常に希少で学術的にも高い価値があります。色は白、黄、茶、赤、 青、緑、黒など極めて多彩で、約250色あるそうです。

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