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トークネットのコミュニケーションマガジン

山形県将棋駒協同組合

〒994-0013 山形県天童市老野森1-3-28
天童商工会議所内
TEL.023-654-3511 FAX.023-654-7481
http://www.tendocci.com/koma/

中島清吉商店

〒994-0046 山形県天童市田鶴町2-2-2
TEL.023-653-2262 FAX.023-653-7082
https://www.shogi-koma.com/

生産量日本一を誇る国の伝統的工芸品

山形市の北に位置し、さくらんぼなどの果物と温泉、将棋の街として知られる天童市。将棋駒の生産量は全国の9割以上を占め日本一です。

将棋は、古代インドの遊具だったチャトランガが起源とされ、奈良時代に日本へ伝わり、平安時代には貴族が遊具として用いたといわれています。将棋駒が本格的に作られるようになったのは安土桃山時代で、江戸時代に入ると庶民の間にも普及。天童でも江戸後期に駒が作られるようになりました。

財政難に苦しむ天童織田藩は、藩士に内職として将棋駒作りを奨励。幕末には、現在の書き駒の基礎が築かれました。明治時代には大阪と並ぶ大量生産地となり、本格的な産業に成長しました。

明治10(1877)年創業の中島清吉商店は、原木の調達から加工・成型、彫り、仕上げ、販売に至るまで一貫して行っています。

駒に使われる木は、国産のツゲ、オノオレカンバ、イタヤカエデなど。これらの原木をじっくり数年の時間をかけて乾燥させ、輪切りにして板材を作り、再度乾燥させます。駒の大きさに合わせて、四角形に木取りをしてから、五角形に切り揃え成型。次に、40駒分の字を薄紙に書き写した字母紙じぼしを木地に貼り付け、印刀で文字を彫ります。その後、彫った溝に膠や柿渋などを塗って目止めを行い、漆を注いだ後に研磨紙で研ぎ出し、磨き上げて彫り駒が完成します。

このほか、筆で直接木地に文字を入れる書き駒、彫った溝を漆で平らに埋める彫り埋め駒、さらにその上に漆を乗せる盛り上げ駒があります。

街全体で将棋文化を発信
後継者の育成にも注力

「工程で最も難しいのは原木の乾燥です」と話すのは中島清吉商店の4代目・中島正晴さん。「シミが入ったり割れたりしないように乾燥させるのが最初の重要な作業です。成型や文字入れも、一つ一つ違いが出ないよう神経を集中して作業します」。

180年以上の歴史を持つ天童将棋駒は、地域経済の発展や観光振興にも寄与してきました。市では、天童桜まつり「人間将棋」や子ども将棋大会などを毎年開催し、将棋文化を幅広い世代に発信しています。また、山形県将棋駒協同組合では、秋に天童将棋駒祭りを開催しているほか、小学校で駒作り教室を実施するなど、次世代層に向けた取り組みも行っています。

同組合の理事長も務める中島さん。「現在、5年計画で後継者育成講座を実施しており、市内から受講生を募集。書き師や彫り師など若手職人の育成に努めています。将棋のさらなる普及については、3年程前に商工会議所と提携し、初心者でも楽しめる66将棋を開発し、大会の開催やPR活動などをしています」。将棋ファンの拡大を図りながら、天童将棋駒の伝統や技術の継承に努めています。

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