2025.01.15
コロナ禍などの社会変化を背景に、多くの企業でリモートワークが普及したことで働く場所が多様化しました。その結果、社内と社外のネットワークの境界線があいまいになり、パソコンやモバイル端末などに対するエンドポイントセキュリティの重要性が増しています。
しかし、企業担当者のなかには「エンドポイントセキュリティについてよく分かっていない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、エンドポイントセキュリティの概要や主なセキュリティ上の脅威、エンドポイントセキュリティ対策のポイントについて解説していきます。
エンドポイントセキュリティとは、ネットワークに接続されているパソコンやタブレット、モバイル端末などに対するセキュリティ対策のことです。そもそもエンドポイント(End Point)とは「終点」「末端」を指す言葉であり、ネットワーク上の末端に位置するパソコンやタブレット、モバイル端末などがエンドポイントに該当します。
コロナ禍などの社会変化を背景に、多くの企業でリモートワークが普及したことで働く場所が多様化し、社内と社外の境界線があいまいになってきています。パソコンなどを社外に持ち出す機会も増えていることから、それぞれの端末に対してセキュリティ対策を施すエンドポイントセキュリティが重要になってきているのです。
エンドポイントセキュリティは、端末を含めたネットワーク上のすべての構成要素をセキュリティ対策の対象とする「ゼロトラストセキュリティ」の考え方に基づいています。
ゼロトラストセキュリティとは「トラスト(信用)がゼロ」、つまり何も信用しないという思想を前提としたセキュリティの考え方のことです。「社内か社外か」という従来の境界型セキュリティの考え方をなくし、ネットワークにアクセスするものはすべて信用せずに安全性を検証することで、セキュリティレベルの向上を図ることができます。
また、ゼロトラストセキュリティを考える際によく登場するフレームワークとして「SASE」というものが存在します。
SASE(サシー)とは「Secure Access Service Edge」の略称であり、2019年にガートナー社(米国のIT専門調査会社)が提唱した新たなセキュリティのフレームワークやサービスのことです。ゼロトラストが何も信用しないというセキュリティの考え方であるのに対し、SASEはゼロトラストの考え方に基づいたフレームワークやサービスとなっています。
現在では、SASE対応製品としてネットワーク機能とセキュリティ機能を統合したクラウドサービスなども提供されています。
続いて、エンドポイントにおける主なセキュリティ上の脅威として、IPAの情報を基に代表的な種類を解説します。
参照:独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)「情報セキュリティ10大脅威 2024」
ランサムウェアとは、パソコン端末などに保存されているファイルを攻撃者が暗号化して「人質」のように扱い、ファイルを復号するための代償として金銭(身代金=ランサム)を要求するマルウェア(悪意のあるソフトウェアの総称)を指します。
IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2024」(組織)の第1位であり、サイバー攻撃のなかでも特に注意すべき脅威であるといえるでしょう。
サプライチェーンの弱点を悪用した攻撃とは、攻撃対象の企業に対してではなく、セキュリティ対策が不十分な取引先や関連企業に対して行われるサイバー攻撃のことです。攻撃された取引先や関連企業を踏み台に、もともと攻撃対象であったターゲット企業に対して不正侵入を試みるサイバー攻撃であり、IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2024」(組織)では第2位となっています。
このように取引先や関連企業が狙われる場合もあるため、取引先や関連企業も含めたエンドポイントセキュリティ対策が求められます。
標的型攻撃とは、特定の企業や自治体などの組織を標的として定め、業務妨害や機密情報の窃取などを目的として行われるサイバー攻撃を指します。たとえば、実際に存在する担当者の氏名などを悪用して標的型メールを送り、添付ファイルを開かせてウイルス感染などを狙ってくることが特徴的です。
IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2024」(組織)では第4位となっています。
ここでは、前述の主な脅威などに対応するために、エンドポイントセキュリティ対策で重要となるポイントについて解説します。
エンドポイントセキュリティ対策として、以下に挙げるようなソリューションの導入が効果的です。
前述したセキュリティ対策ソリューションだけに依存するのではなく、社内のセキュリティ教育を定期的に行っていくことも大事なポイントです。
たとえば、標的型メールに対する訓練として訓練用のメールを社内に発信し、添付ファイルの開封率を調べたり、訓練後に社員同士でディスカッションする場を設けたりすることなども有効な手段となるでしょう。
IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2024」(組織)の第2位に「サプライチェーンの弱点を悪用した攻撃」があったように、取引先や関連企業に対しても啓発活動を行うことが重要です。
自社のセキュリティ対策が十分であっても、取引先や関連企業から自社の情報が流出するリスクも考えられます。自社の視点だけでなく、自社を取り巻く商圏全体でセキュリティレベルの底上げを図る意識が求められるでしょう。
この記事のポイントは以下のとおりです。
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