2025.09.30

この記事では、東北・新潟の企業を中心にICTソリューションを提供するトークネットが、セキュリティを強化したい企業におすすめしたい統合脅威管理「UTM」の機能や、ファイアウォールとの違いについてご紹介します。
サイバー攻撃が激化する中、企業にはセキュリティ対策の強化が求められています。経済産業省が公開する「サイバーセキュリティガイドライン」では、「経営者のリーダーシップの下でセキュリティ対策を推進する」ことが原則とされるなど、セキュリティ対策はIT部門のみならず、経営課題として検討すべき重要度の高いものといえるでしょう。
一方で、セキュリティ対策が進んでいない企業が多いのも現実です。皆様の中にも、以下のような課題を持たれている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
<セキュリティ対策によくある課題>
※DDoS攻撃:多数のコンピューターから一斉に標的のサーバーに過剰なアクセスを送りつけ、正常なサービス提供を妨害するサイバー攻撃
IT担当者としてカバーしなくてはならない業務が広範で、セキュリティ対策に十分な時間を割く余裕がないという声も多く聞かれます。一方で、ファイアウォールの設置など従来型のセキュリティ対策では、日々進化するセキュリティ脅威に対応できず、取り返しのつかない被害を受ける可能性があることも事実です。
業務負荷を最小限としつつ、セキュリティ対策を最新化したいという企業におすすめしたいのが、UTM(Unified Threat Management:統合脅威管理)です。「統合」脅威管理という名前のとおり、UTMはファイアウォール、アンチウイルス、アンチスパム、Webフィルタリング、IPS/IDS、sandboxなどセキュリティ対策に資する様々な機能を備えています。
UTMは一台で様々なサイバー攻撃に対応できるため、比較的導入負荷を抑えて網羅的なセキュリティ対策が可能であるというメリットがあります。これからセキュリティを強化していきたい企業や、負荷を抑えてセキュリティを強化したい企業におすすめの選択肢といえるでしょう。
従来、ファイアウォールがあれば一定の防御が可能であったサイバー攻撃ですが、現在はその手口が進化・多様化しています。ファイアウォールの機能はパケットフィルタリングに限られ、ファイアウォールをすり抜けるように偽装されたマルウェアやスパムメール、ゼロデイ攻撃には対応できません。
その点UTMであれば先述のとおり様々な機能を有するため、さらに多くのサイバー攻撃に対応できるのがUTMと理解するとよいでしょう。
UTMには以下の機能が備わっており、様々なセキュリティ脅威を防ぐことができます。
| 機能名称 | 概要説明 | 効果 |
|---|---|---|
| ①パケットフィルタリング | パケット単位でIPアドレス、ポート番号などによりアクセス許可/禁止を制限する。 | 外部からの不正アクセスを予防 |
| ②セキュリティログ・監視機能 | 通信の履歴を確認しつつ、アクティブなセッションを一覧で確認できる。 | 報告書の作成や対策の改善、異常検知時の通信遮断に活用 |
| ③侵入検知(IDS) | 不正なパケットや通信パターン、振る舞いを検知した場合に通知する。 | 偽装されたマルウェアやカスタムマルウェアの侵入を検知 |
| ④侵入防御(IPS) | IDSに加えて、不正を検知した場合には、通信を遮断する。 | フィルタリングによる遮断のみでなく、不正な通信パターンを検知して遮断 |
| ⑤アンチウイルス | 既知のウイルスに見られるパターンを検知して遮断する。 | メールやフィッシングサイトからのマルウェア感染を防止 |
| ⑥アンチスパム | メール本文や送信元などから、既知のスパム攻撃パターンを検知して遮断する。 | メールからのマルウェア感染を防止 |
| ⑦Webフィルタリング | 特定のURLや不適切なカテゴリのURLについて、社内からの閲覧を制限する。 | マルウェア配布サイトなどリスクのあるサイトへの接続をブロック |
| ⑧VPNセキュリティ | 社外から、インターネットを経由してVPNへ接続する際に認証を行う。 | 社内ネットワークへの不正アクセス防止 |
| ⑨sandbox | 怪しい通信について、社内ネットワークとは隔離された検証環境で確認できる。 | 偽装されたマルウェアやカスタムマルウェアの遮断 |
| ⑩アプリケーションポート制御 | アプリケーション単位で通信を識別・制御する。 | 内部不正の防止 |
ここでは簡単に各機能の概要についてご紹介しましたが、こちらのホワイトペーパーではより詳しく各機能を解説しております。UTMで「どのようなセキュリティ脅威に対して、どのような方法で対処できるのか」詳細に知りたい方は、こちらのホワイトペーパーもぜひご覧ください。
UTMの導入においては、以下のような失敗パターンがよく見られます。導入にあたっては、これらの失敗パターンに陥らないように注意が必要です。
UTMを導入したものの、IT部門の人材不足もあり継続的なアップデートやログの確認に手が回らず、導入効果を発揮できないというケースです。特に専任のセキュリティ担当者が不在である企業にありがちな失敗パターンといえるでしょう。
運用保守が不十分であると、UTMを導入しても十分なセキュリティ強化につながりません。それどころか、十分なメンテナンスがされていないUTMの脆弱性を悪用され、インシデント発生リスクが高まってしまうという結果にもなりかねません。
UTMを導入したところでセキュリティ強化の取り組みをクローズとしてしまい、インシデント発生時の対応方法や体制の整備まで手が回らないというケースです。意識が向きやすい事前のセキュリティ強化を進める一方で、インシデント発生時の対応は検討されていないという例はよくあります。
結果として不正アクセスや情報漏えいなどのインシデント発生時にうまく対応ができず、被害が拡大してしまいます。
このような失敗ケースを避けるためにおすすめしたいのが、UTM導入において「機器のレンタル」と「マネージドセキュリティサービス(MSS)」を活用する方法です。機器をレンタルすることで、短期間での導入を実現しつつ、運用保守を外部化し、常に最新の環境を維持することができます。
併せて、セキュリティ対策の管理や運用を委託できるマネージドセキュリティサービス(MSS)を利用すれば、ログの確認やインシデント通知だけでなく、インシデント発生時の対応もサポートを受けられます。
特にセキュリティ対策に十分なリソースを割けない企業においては、レンタル×MSSを活用したUTMの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
セキュリティ対策に十分なリソースを割けない企業だけでなくあらゆる企業において、網羅的なセキュリティ機能を有するUTMは有効な選択肢となります。
一方で、UTMを継続的に運用していくためには一定の負荷がかかるのも事実です。運用負荷を抑えたい企業においては、レンタルUTMやMSSの活用も検討してみてください。
トークネットでは、UTM機器レンタル×MSSサービスとして「マネージドUTMレンタルサービス」を提供しております。本サービスでは、UTMをレンタルにて提供しつつ、セキュリティログの監視、インシデント通知をはじめとしたマネージドセキュリティサービスまで対応することでお客さまのセキュリティ強化とアウトソーシングを実現いたします。
ご興味のある方は、ぜひ当社までご連絡ください。
また、「まずはUTMについてさらに詳しく知りたい」という方は、以下のホワイトペーパーもおすすめです。本ホワイトペーパーでは、記事で解説しきれなかったUTM機能の詳細やMSSによって得られるベネフィットを詳しく解説しております。ぜひ併せてご覧ください。