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NTT東・西殿の活用業務に関する要望書の提出について

2012年1月24日
東北インテリジェント通信株式会社
 
NTT東・西殿の活用業務に関する要望書の提出について
 
各 位

 イッツ・コミュニケーションズ株式会社、株式会社エム.ビー.エス、株式会社STNet、株式会社エネルギア・コミュニケーションズ、沖縄通信ネットワーク株式会社、関西ブロードバンド株式会社、九州通信ネットワーク株式会社、株式会社ケイ・オプティコム、株式会社ケイ・キャット、KDDI株式会社、彩ネット株式会社、ジャパンケーブルネット株式会社、株式会社ジュピターテレコム、ソフトバンクテレコム株式会社、ソフトバンクBB株式会社、ソフトバンクモバイル株式会社、中部テレコミュニケーション株式会社、東北インテリジェント通信株式会社、株式会社新潟通信サービス、フュージョン・コミュニケーションズ株式会社、北陸通信ネットワーク株式会社、北海道総合通信網株式会社、株式会社マイメディアは、本日(平成24年1月24日(火))、総務大臣に対し、NTT東・西殿の活用業務に関する要望書を提出いたしましたので、お知らせいたします。

 平成23年11月末に改正NTT法が施行され、NTT東・西による活用業務制度が認可制から届出制へと規制緩和されました。また、本制度変更を踏まえ、平成23年12月21日付けにて東日本電信電話株式会社から「インターネット接続回線上のサーバ設備を利用したアプリケーションサービス」について、総務省への届出が行われました。

 活用業務制度については、競争が阻害されNTTの独占回帰が進むことで中長期的には利用者の利便を損なうものとして、当社を始めとする競争事業者が廃止を訴えてきましたが、届出制の下で、本件のようにNTT東・西の業務範囲がなし崩し的に拡大していくことは、電気通信市場の競争、ひいてはユーザー利便により深刻なダメージを与えることが懸念されます。

 このため、弊社どもはNTT東・西の活用業務により、公正競争に支障が生じて、料金の高止まりやイノベーションの阻害といった独占の弊害が利用者に及ぶことがないよう、要望書を提出いたしました。

 提出した要望書は以下のとおりです。
以  上








要望書

平成24年1月24日

総務大臣 川端達夫 殿


イッツ・コミュニケーションズ株式会社
代表取締役社長 市来 利之

株式会社エム.ビー.エス
代表取締役 蓬田 知

株式会社STNet
代表取締役社長 古賀 良隆

株式会社エネルギア・コミュニケーションズ
取締役社長 佐野 吉雄

沖縄通信ネットワーク株式会社
代表取締役社長 仲宗根 朝整

関西ブロードバンド株式会社
代表取締役社長 三須 久

九州通信ネットワーク株式会社
代表取締役社長 秋吉 廣行

株式会社ケイ・オプティコム
代表取締役社長 藤野 隆雄

株式会社ケイ・キャット
代表取締役社長 辻村 順一

KDDI株式会社
代表取締役社長 田中 孝司

彩ネット株式会社
代表取締役 井上 太郎

ジャパンケーブルネット株式会社
代表取締役社長 藤本 勇治

ジェイコムグループ代表
株式会社ジュピターテレコム
代表取締役社長 森 修一

ソフトバンクテレコム株式会社
ソフトバンクBB株式会社
ソフトバンクモバイル株式会社
代表取締役社長兼CEO 孫 正義

中部テレコミュニケーション株式会社
代表取締役社長 湯淺 英雄

東北インテリジェント通信株式会社
代表取締役社長 柴田 一成

株式会社新潟通信サービス
代表取締役 本間 誠治

フュージョン・コミュニケーションズ株式会社
代表取締役社長 相木 孝仁

北陸通信ネットワーク株式会社
代表取締役社長 森 榮一

北海道総合通信網株式会社
取締役社長 宮本 英一

株式会社マイメディア
代表取締役社長 秀浦 実晴
(五十音順)


 平成23年12月21日付けにて東日本電信電話株式会社(以下、「NTT東日本」)殿から届出のあった「インターネット接続回線上のサーバ設備を利用したアプリケーションサービス」(以下、「本件活用業務」)を含む、NTT東日本及び西日本電信電話株式会社(以下、あわせて「NTT東・西」)殿の活用業務に関し、以下のとおり要望します。











NTT東・西殿の活用業務に関する要望書

 平成23年11月末に改正NTT法が施行され、NTT東・西殿による活用業務制度が認可制から届出制へと規制緩和されましたが、昨年10月に23事業者連名で提出した意見書でも申し述べたとおり、ボトルネック設備を保有するNTT東・西殿に対して本制度を認めたことは、NTTの独占部門と競争部門を分離して競争を一層促進し、ひいては国民利便の向上に繋げるというNTT再編の趣旨をないがしろにするものであることから、同制度は本来廃止すべきと考えます。
 また、活用業務制度は、地域電気通信業務に係る設備、技術及び職員を、本来業務である地域電気通信業務に影響を与えない限りにおいて、公正競争の確保に支障のない範囲で、他の電気通信業務等に利用して提供するものです。しかしながら、現状は、活用業務として提供している県間IP伝送やひかり電話が実質的な本来業務となっており、これは制度の趣旨を明らかに逸脱して、なし崩し的に業務範囲を拡大するとともに、上述したNTT再編の趣旨に反するものであることから、これらのサービスについては、本来NTT東・西殿以外の他の事業者が提供すべきものです。
 本件活用業務に係るサービスは、まさしくNTT東日本殿以外の他の事業者が提供すべきものでありますが、それが届出制のもとで、新たにNTT東日本殿によって提供されることは、届出制自体の問題も想起させます。

 以上の基本的な考えを踏まえつつ、本件活用業務、並びに今後のNTT東・西殿の活用業務に係る運用等について、次のとおり要望します。

(1)NTT東・西殿による上位レイヤーへの進出について
 本件活用業務は、クラウドサービスを始めとする上位レイヤーに、なし崩し的に業務範囲を拡大する足掛かりとなるものであり、これを認めると公正競争に深刻な影響を与えることとなりかねません。従って、活用業務に係る省令・ガイドラインにおいて、ISP事業への参入を含む上位レイヤーへの業務範囲拡大を禁止事項として追加することを要望します。
 少なくとも、本件活用業務と同様の態様であっても、「フレッツ・ミルエネ」以外の新たなアプリケーションサービス(グループウエアやウィルス検索等)を開始する場合は、NTTグループ内事業者との連携等によるグループドミナンス上の問題の拡大も考えられることから、その都度届出を実施させ、当該活用業務に係る連携先の事業者をチェックする等して、上位レイヤーへのなし崩し的な業務範囲拡大等に歯止めをかけることを要望します。

(2)既存サービスとのバンドル提供等について
 NTT東日本殿が自らアプリケーションサービスを提供すれば、ネットワークレイヤーにおける市場支配力によるレバレッジが、今以上に上位レイヤーに及ぶことが明らかです。
 これは、他のアプリケーションサービス事業者との同等性確保を困難にし、更に公正競争を阻害することに繋がります。
 このような公正競争を阻害するおそれがある事例については、競争事業者の意見も踏まえて徹底的に検証のうえ、活用業務を実施する際の不適切な事例(不適切なバンドルの事例等)として活用業務に係る省令・ガイドラインに追加する等、問題がある業務が届出されないように予め防止することを要望します。

(3)活用業務に係る情報の公開について
 本件活用業務に関連して実施された回線調達について、公募の際に活用業務である旨が明記されていないことに加え、落札事業者や落札理由が公開されていません。活用業務の回線調達等においては、NTTグループ内事業者が落札し、実質的にNTTグループ内事業者との連携等によるNTTグループ一体としてのサービス提供となる懸念があります。
 また、本件活用業務に関して、届出書の記載だけでは、具体的なサービス内容が不明確であり、今後を含め如何なるサービスに利用されるか判別し難いため、結果としてNTT東・西殿によるなし崩し的な業務範囲拡大を助長するおそれがあります。
 届出制のもとでは、より一層の透明性を高める必要がありますので、回線調達公募の際に活用業務である旨を明記するとともに、落札事業者がNTTグループ内事業者の場合には当該事業者名や落札理由を公開する、届出書に具体的なサービス内容を記載する等、より詳細な情報をNTT東・西殿に公開させる仕組みに改めることを要望します。

(4)活用業務の検証等について
 上述のとおり、競争事業者の視点から、本件活用業務等には多くの問題があります。
 しかしながら、現状では、活用業務届出時に競争事業者が公式に意見を述べる機会がないうえ、活用業務に関する以後の検証が1年に一度実施される競争セーフガード制度(今後は公正競争レビュー制度に継承予定)等に限られるため、公正競争を確保するための仕組みが、不十分であると考えます。
 以上のことから、事前届出期間を十分なものに延長したうえで、届出があった際に競争事業者の意見を反映する公の場を設けるとともに、競争評価、市場監視、ルール策定機能を持った公正競争確保のための委員会等、常設機関を設置することを改めて要望します。
以  上

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