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トークネットのコミュニケーションマガジン

藤木伝四郎商店

秋田県仙北市角館町下新町45
TEL0187-54-1151
HP.http://www.fujikidenshiro.co.jp/

時代とともに進化する伝統の技とモダンの融合

江戸時代末期に下級武士の手内職として始まり、地域の基幹産業として発展。
昭和51年(1976)には、秋田県内で初めて国の伝統的工芸品に指定された樺細工。
山桜の樹皮を使った世界的にも珍しい技法は、仙北市角館のみで受け継がれています。

職人とデザイナーが生み出す新しい形

モダンなアイテムを次々に発表。現在では、国内だけでなくヨーロッパを中心に海外からも注目を集めている「藤木伝四郎商店」。嘉永4年(1851)の創業以来、伝統を守り、スタンダードな柄の茶筒やお盆を中心に展開してきました。しかし、贈答品としての需要はあっても普段使いとして身近なものではありませんでした。

「若い世代にも樺細工の良さを知ってほしい、生活の中で使ってほしいという思いがありました。そんなとき、プロダクトデザイナーの山田佳一朗さんに出会い、新しいものづくりが広がりました」と六代目藤木浩一さん。それが、クルミやカエデなど4種の素材を組み合わせた「輪筒WAZUTSU」。ティータイムなど現代の暮らしになじむデザインです。そして、製品化するために、何より不可欠だったのが、職人の伝統の技。

茶筒の蓋がすっと心地よく閉まるのは、樺細工特有の『型もの』と呼ばれる技法によるもの。木型に経木を巻いて芯を作り、高温に熱したコテでニカワを塗った桜皮を貼り合わせます。そうしてできた外芯と内芯を輪切りにして、茶筒の内蓋と外蓋ができます。

時代に寄り添う真摯なものづくり

藤木さんが「輪筒」を作ってほしいと熟練の職人たちに相談したところ、引き受けてくれたのはこの道40年の西宮正雄さんただ一人でした。

「最初は作れるかなと思ったけど、藤木社長の熱意に負けました。樺細工は使い手のことを考えて作るもの。このデザインなら使う人も喜んでくれると思いました」と西宮さん。

何度も試作を重ね、たどり着いたのは別々の素材で4種類の筒を作り上げること。それを輪切りにし、一つの筒に組み直していくという、少しの狂いも許されない技法です。

「デザインが良くても、それを形にする職人がいなければ製品は作れません。職人の技と心意気があってこそ、新しい樺細工ができるんです」と藤木さん。

技を守りながら時代や生活に合ったものを生み出し、進化していくこと。それが、伝統を未来につないでいくことなのだと教えてくれました。

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vol.04 2013
(PDF 8.4MB)

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