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トークネットのコミュニケーションマガジン

株式会社 竹谷本店

秋田県秋田市中通2丁目4-3
TEL.018-835-1331

金銀細工を礎にした秋田独特の銀線細工

白く細い銀線が織りなす優美な模様に銀特有の輝きが相まって、華やかな気品を醸しだす秋田銀線細工。県の伝統的工芸品のほか、秋田市の無形文化財にも指定されています。

秋田は鉱山に恵まれており、金銀の産出も豊富で、古くからこれらを用いた手工芸が発達。江戸時代に入ると歴代藩主・佐竹氏の保護奨励の下、主に武器金具師により金銀を細工した各種工芸品が作られるようになりました。

竹谷本店は江戸後期の天保元年(1830年)に金銀細工の店を創業。

「その頃は主にキセルなどを作っていたようです」と販売を担当する取締役の竹谷康子さん。初代・竹谷金之助が後進の育成に励み、明治末期には優れた細工師を多数輩出するとともに、花嫁かんざしなど時代に合わせた金銀細工を製作してきました。昭和30年頃からは銀線細工のペンダントやブローチ、イヤリングなどのアクセサリーを販売するようになりました。

もともと銀線細工は、日本に鉄砲やキリスト教が伝わった頃と同時期に、長崎の平戸に伝来したといわれ、別名「平戸細工」とも呼ばれます。各地に伝わりましたが、たまたま金銀細工が盛んに作られていた秋田で継承され、独自の伝統工芸品として根付きました。

伝統技法を継承し女性の感性を活かして

竹谷本店の工房では、女性職人3人が銀線細工の技を受け継ぎ、一つ一つ丹念に作っています。工程はすべて手作業で行われ、細やかな神経と根気が必要なため、仕上げるまでに多くの時間と手間がかかります。

まず、直径0.2~0.3ミリの細い純銀の線を2~3本より合わせ平たくしたものを、ピンセットと指先を使ってくるくると丸め「平戸ひらと」と呼ばれる基本のパーツを作ります。これを、少し太めの銀線で作った葉や花びらなどの枠にはめ込み、銀に真鍮を加えた銀ロウで各部分を接合し、寄せ合わせて立体的に仕上げていきます。寄せ合わせた製品は、熱した薬品で余分な銀ロウを洗い流し、最後に金棒を使って磨き上げると美しく輝く銀線細工の完成です。

竹谷本店で作られる銀線細工はすべてオリジナルで、茶道で用いる茶釜の蓋置きやブライダル用のティアラなども注文に応じて製作しています。「今では銀線細工職人も少なくなり、当店のように職人を抱えている所は珍しいと思います」と竹谷さん。「お客さまに気に入っていただける素敵な製品を作っていきたい」と話す横顔に、銀線細工への思いが伝わります。秋田で花開いた銀線の美は、今後もきらめいていくことでしょう。

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vol.11 2015
(PDF 9.2MB)

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