ホーム > JoinT > vol.32

JoinT
トークネットのコミュニケーションマガジン

鶴岡市立加茂水族館(愛称・クラゲドリーム館)

〒997-1206 山形県鶴岡市今泉字大久保657-1
TEL.0235-33-3036
https://kamo-kurage.jp/
■入 館 料/一般(高校生以上)1,000円(税込)
      小・中学生500円(税込)
      幼児(未就学児)無料
■営業時間/9:00~17:00(最終入館は閉館30分前まで)
■定 休 日/なし
※営業時間が変更される場合があります。

偶然の発見が転じて世界一の水族館に

加茂水族館は、地元の有志からなる水族館組合が、昭和5(1930)年に山形県水族館を開館したことに始まります。昭和39(1964)年に新築移転し、県内有数の観光施設として賑わいました。

しかし、隣県に水族館がオープンした影響などもあり、入館者が徐々に減少。来館者を増やそうと、アシカショーなどを始めましたが効果が表れませんでした。平成9(1997)年、偶然サンゴの水槽に小さな生物がいることを発見し、育てたところサカサクラゲに成長。展示するとお客さまの反応も良く、その後は毎年クラゲの種類を増やし、平成17(2005)年にクラゲ展示種数世界一の水族館となります。平成26(2014)年にリニューアルオープンしました。

クラゲは、淡水または海水に生息する浮遊生物の総称です。カサを動かしながら少しは泳ぎますが、水の流れに沿って漂うだけで、泳ぐ力はほとんどありません。流れがないと、沈んだり浮きっぱなしになるので、展示には適切な水の流れが必要になります。

また、クラゲは成長段階に応じてさまざまな姿に形を変えます。受精卵から「プラヌラ」と呼ばれる幼生になり、イソギンチャクのような形の「ポリプ」になります。その後、ポリプに何層ものくびれができて「ストロビラ」になり、層が1つずつ遊離して赤ちゃんクラゲの「エフィラ」に。エフィラが成長して「成体」へと変化します。

努力と工夫を重ねクラゲの命をつなぐ

「クラゲの飼育で大切な水質、水流、餌のバランス、給餌法など、どれも気を使います」と話すのは飼育課の佐藤智佳さん。クラゲ担当のチーフとして、飼育・繁殖に取組んでいます。「奥泉館長が自ら設計してオリジナルのクラゲ用水槽を開発しました。繁殖室にある装置も館長が全部設計し、飼育員たちが手づくりしたものです。試行錯誤して造った水槽は、水換えが半減し、格段に維持・管理がしやすくなり、飼育員の教育や研究などに時間をあてることができるようになりました」。

飼育・繁殖技術については、「マニュアルがあるわけではなく、経験や感覚によるところが大きい」。飼育係は少人数のため認識を共有しやすく、若手を細やかに指導できるそうです。「担当者の異動がないのも、技術的な継承に役立っています。名誉館長も現館長も、提案や意見を取り入れチャレンジさせてくれます。こうした風通しの良い雰囲気も、個々の成長につながっていると思います」。

「クラゲ展示のトップを走り続ける水族館として、技術的にも質的にも、お客さまの心に残る展示をしていきたい」と話す佐藤さん。命を育み、つないでいく工夫を重ねながら、常に最高の状態を維持し、魅力あふれる水族館として歩み続けます。

くわしくはこちらを
ご覧ください

JoinT
vol.32 2020
(PDF 12.1MB)

広報誌『JoinT』のバックナンバー一覧に戻る

© TOHKnet Co., Inc.

お問合せ

トークネット光

pagetop