2024.11.15
インターネットを利用するためには、インターネット回線やルーターなどの機器、プロバイダー契約などが必要ですが、それだけでは十分ではありません。インターネット環境の構築にあたっては、DNS(ドメインネームシステム)の設定も求められます。
しかし、企業担当者のなかには「DNSについてよく分かっていない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、DNSの概要や基本的な仕組み、DNSサーバーの種類などについて解説していきます。
INDEX
DNSとは「Domain Name System」(ドメインネームシステム)の略であり、インターネット上で使われる「住所変換システム」のようなものです。インターネット上の住所は、IPアドレスという数値のまとまり(例: 192.168.1.1)で定義されており、それぞれのWebサイトは固有のIPアドレスを持っています。
しかし、IPアドレスはコンピューターが理解するのには適していますが、ユーザーがWebサイトにアクセスする際にIPアドレスを入力するのは現実的ではありません。そのため、「192.168.1.1」のようなIPアドレスの数値を「www.example.com」のようなわかりやすいドメイン名に変換する必要があります。そしてこのIPアドレスとドメイン名の両者を変換するための仕組みがDNSになります。
つまり、社員が様々なWebサイトを見ようとした場合に、DNSが「わかりやすい名前」と「IPアドレス」を特定してくれることで、そのWebサイトを閲覧することができます。
反対に、企業が独自のドメイン(例:「tohknet.co.jp」など、企業オリジナルのドメイン)を用いて、Webサイト(およびWebサーバ)を公開したい場合は、独自ドメインとIPアドレスを紐づけないと、ユーザーに辿り着いてもらうことができません。
DNSは、以下のような流れで機能する仕組みとなっています。
1.ユーザーがWebブラウザにドメイン名(例:www.example.com)を入力
2.WebブラウザがキャッシュDNSサーバーにIPアドレスを問い合わせる
3.キャッシュDNSサーバー上に履歴がある場合はそれを返答。ない場合は権威DNSサーバーに問い合わせる
4.権威DNSサーバーから対象のドメイン名が管理されているDNSサーバーの情報が返答される
5.キャッシュDNSサーバーから対象のDNSサーバーに問い合わせを行い、IPアドレスを取得してWebブラウザに返答する
6.Webブラウザが取得したIPアドレスを使ってWebサイトに接続し、内容を表示する
上記の流れは、ユーザーがドメイン名を入力したら自動で瞬時に行われます。そのため、ユーザーから見たらすぐにWebサイトが表示されるようになっているのです。
ここでは、DNSサーバーの主な種類について解説します。
キャッシュDNSサーバーとは、Webブラウザからの問い合わせを受けて、権威DNSサーバーに問い合わせを行うサーバーのことです。「フルリゾルバ」と呼ばれる場合もあります。キャッシュDNSサーバーは、権威DNSサーバーへの問い合わせを通じて、ドメイン名とIPアドレスの名前解決を行う役割を担っています。
一度名前解決を行った情報に関しては、ドメイン名とIPアドレスの紐づけ情報をキャッシュとして保持するため、同じ問い合わせがあった際には権威DNSサーバーへの問い合わせを省略することが可能です。
権威DNSサーバーとは、ドメイン名とIPアドレスの紐づけを行う役割を担うサーバーのことです。キャッシュDNSサーバーからの問い合わせを受け、保持している情報の回答を行います。
権威DNSサーバーのなかでも、キャッシュDNSサーバーから最初に問い合わせを受けるサーバーは「DNSルートサーバー」と呼ばれます。また、権威DNSサーバーは、さらに「プライマリDNSサーバー」と「セカンダリDNSサーバー」に分けることができます。
プライマリDNSサーバーとは、キャッシュDNSサーバーからの問い合わせに対してメインで情報の回答を行うサーバーであり、「マスターサーバー」とも呼ばれます。
管理者が設定するゾーン情報(企業の独自ドメイン名とIPアドレスの紐づけ情報)をオリジナルで保管していることが主な特徴です。
セカンダリDNSサーバーとは、プライマリDNSサーバーが何かしらのトラブルなどで稼働できなくなった際に、代わりにキャッシュDNSサーバーからの問い合わせ対応を行う役割を持つサーバーです。
「スレーブサーバー」とも呼ばれ、プライマリDNSサーバーからゾーン情報(ドメイン名とIPアドレスの紐づけ情報)の連携を受けて情報を保管しています。機能としてはプライマリDNSサーバーと同等であり、サーバーを多重化するために複数のセカンダリDNSサーバーが構築される場合もあります。
インターネット回線を情報検索のためにのみ利用する場合は、DNSサーバーを改めて構築する必要はありません。キャッシュサーバの利用でOK。
先述したように、企業独自のドメインで、Webサイト(サーバー)を構築したい場合には、DNSの構築も必要です。
DNSサーバーの構築・運用にあたっては、大きく分けて「自社での構築・運用」と「プロバイダーへの依頼」の2つの方法があります。どちらの方法にすべきか迷っている企業は、以下を参考にしてみてください。
<「自社での構築・運用」が向いている企業の特徴>
・自社の運用状況に合わせて柔軟に設定を変更・調整したい
・社内でサーバーの調達や設定、運用を行うための十分な知識や工数がある
・社内にサーバー運用のスキル・ノウハウを蓄積したい
<「プロバイダーへの依頼」が向いている企業の特徴>
・煩わしい設定などは外部の専門会社にお任せし、社内の業務に集中したい
・社内でサーバーの構築・運用を行うための知識や工数が不足している
・自社内でサーバーのセキュリティ対策など周辺作業まで行える自信がない
「DNSサーバーの構築や運用に不安を感じている」「自社ですべて対応できるか分からない」という企業は、プロバイダーへの依頼を検討してみるとよいでしょう。
この記事のポイントは以下のとおりです。
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