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トークネットのコミュニケーションマガジン

有限会社 山形屋本店(やまがたやほんてん)

福島県会津若松市上町2番34号
TEL.0242-22-5769
Mail.info@rousoku.com HP.http://www.rousoku.com

江戸時代に名を馳せた会津絵ろうそくの歴史

梅や椿、福寿草など季節の花々が色鮮やかに描かれた会津絵ろうそく。その歴史は、今から500年以上前の室町時代にさかのぼります。時の領主・葦名盛信が漆樹の栽培を奨励。幹から採れる樹液は漆塗料となり会津漆器が生まれ、漆の実からは上質な「ろう」が採取されたため、ろうそく作りがはじまったそうです。

本格的に作られるようになったのは、蒲生氏郷が近江から技術者を招き、ろうそくの品質をさらに向上させ、伝統産業として確立してからのこと。江戸時代には、ろうそくを会津藩の専売品とし、貴重な財源としても活用したことから、会津ろうそくの品質の良さが広く知られるようになりました。また、美しく彩色された絵ろうそくが考案され、将軍家や宮廷への献上品として使われたほか、武家社会で愛用されるようになりました。

手作りの粋を極め受け継がれてきた技

創業が明和年間(1764~1771年)という山形屋本店。店舗奥の工房では、今も一つ一つ手作業で絵ろうそくが作られており、伝統の技と美を守り続けています。

絵ろうそくの製造工程は、10以上あり、実に手間がかかります。まず、串に和紙を巻き付け、その上から灯芯をらせん状に巻いて芯を作ります。その芯を溶けたろうに浸けて、灯芯と和紙を固めて芯が完成。芯が生乾きのうちに、かけ串と呼ばれる串をさし、芯の先をとがらせて、サイカチの実から取った液にこの部分を浸けます。その後、頭の部分が太くなるよう、ろうに何回か浸け、「かけおろし」と呼ばれる工程に移ります。液状のろうの中へ芯を6~8本ずつ転がしながら浸し、すぐに引き上げるという作業を何度も繰り返し少しずつ太らせていきます。かけおろしが終わったらカンナで表面をけずり、さらに手にろうをつけて表面をなで、なめらかに仕上げ本体が完成します。

ろうは水をはじくため、このままでは絵付けできません。水に浸けた大豆をすり潰して搾った呉汁を塗り、乾かしてから絵付けが行われます。水性の絵の具で彩色したら十分に乾燥させ、仕上げ用のろうにくぐらせコーティングします。最後に、頭の部分のろうを切り落として芯を出し、裾の部分を切り落として形を整え会津絵ろうそくが完成します。大きさにもよりますが、7匁(長さ15・5㎝、径約2㎝)1本が出来上がるまで4~5日はかかるそうです。

未来を照らす炎を守り続ける思い

山形屋本店では絵付け体験も行っています。店内で絵付けをして、その日に持ち帰ることが可能で、取材当日も観光客が体験に訪れていました。「修学旅行のほか、市内の子どもたちも絵付けにやってきます。その際は、会津に受け継がれる漆を含めた絵ろうそくの文化、伝統産業としての歴史なども話すようにしています」と10代目の薄敬治さん。「古くから伝わる文化なので、後世に残していきたい」と子どもたちに会津絵ろうそくの魅力を伝えていこうと取り組んでいます。

受け継がれてきた会津絵ろうそくの炎は、次の世代も明るく照らし続けています。

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vol.09 2014
(PDF 9.8MB)

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