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トークネットのコミュニケーションマガジン

山形緞通(やまがただんつう)
オリエンタルカーペット株式会社

山形県東村山郡山辺町大字山辺21番地
TEL 023-664-5811(代)
HP.http://yamagatadantsu.co.jp/

中国から技術を導入し独自の絨毯へと昇華

染物や織物で栄え、山辺木綿の産地として知られた山形県山辺町に拠点を置くオリエンタルカーペット。冷害や凶作で疲弊した地域を再生しようと、1935(昭和10)年に中国の北京から技術者を招き、中国緞通の技を習得し絨毯の製造を始めました。この羊毛を使用した手織緞通の技術導入は国内初であり、以来80年、高度な織りの手技を継承するとともに、様々な加工技術を磨き、独自の絨毯を作り続けてきました。納入先は日本の皇居新宮殿や京都迎賓館、歌舞伎座のほか、バチカン市国の宮殿「法皇謁見の間」など国内外の名だたる施設です。

オリエンタルカーペットでは、羊毛の紡績からデザイン、染め、織り、仕上げ、アフターケアまで一貫した工程管理で製造し、主に「手織」と「手刺」、2つの手法を採用しています。手織は原寸大の設計図を見ながら、織架台に張られた木綿の縦糸に毛糸を1本1本手で結び、織り上げていく昔ながらの手法。手刺はフックガンと呼ばれる電動工具を使い、基布の裏面に書き込まれた模様と糸の色指定どおりに毛糸を打ち込んで織り上げます。手刺は多様な表現や複雑な図柄も容易にできることから、山形市出身の国際的工業デザイナー・奥山清行氏とコラボレーションし、斬新なデザインラグを展開。パリで開催されたインテリア国際見本市メゾン・エ・オブジェ「インテリアシーン」に出展し、高い評価を得ました。

※緞通…日本でいう緞通は手織りの高級絨毯のこと。絨毯は中国語の地毯から、緞通は同じく毯子からきたといわれています。

伝統の技と現代の感性が融合した山形緞通

2013年には「山形緞通」ブランドを立ち上げ、個人向けホームユース製品の充実を図っており、一般の方々が暮らしの中で気軽に絨毯を使ってほしいとの思いで取り組んだものです。これが2015年度のグッドデザイン賞を受賞しました。

山形緞通の特徴は、①自然をモチーフにしたデザイン、②繊細なグラデーションと豊かな色彩、③図柄を立体的に浮かび上がらせるカービングなどで、「足もとからのおもてなし」をコンセプトに、「古典」「新古典」「現代」「デザイナー」の4つのラインがあります。「伝統の技術を現代のインテリアにどう活かすか追求しました」と社長の渡辺博明さん。どのラインの製品も、日本人の美意識に訴える意匠と色調で表現したオリエンタルカーペットならではの絨毯です。

時代に合わせてより良いもの、暮らしを豊かにするものをつくるという「ものづくりの心」は、織りの技術も向上させてきました。「織り手はすべて女性で、50年超のベテランもいます。現在2人の新人が熟練の技を学んでいるところです」と話す総務部長の国井浩嘉さん。100年は持つという手織緞通の高度な技術が着実に継承されています。

「海外も視野に入れ、山形緞通の情報を広く発信していくことが重要です」という渡辺社長。「今後はデザイナーラインを一層充実させたいと考えています」。

現代の感性と伝統の技術を織り込んだ、新たなものづくりへの挑戦は続きます。

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vol.14 2016
(PDF 11.4MB)

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