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トークネットのコミュニケーションマガジン

事務局・(公財)関川村自然環境管理公社内
関川村 猫ちぐらの会

新潟県岩船郡関川村大字上関1252-1
TEL.FAX.0254-64-3311
HP.http://www.nekochigura.com/

子守用のかごをもとに生まれた猫ちぐら

日本有数の米どころ新潟県。昔から、各農家では秋に刈った稲わらを使い、農閑期に様々なわら細工を作っていました。その一つが、「つぐら」と呼ばれる赤ちゃん用のゆりかご。つぐらに乳幼児を入れて目の届くあぜ道などに置き、農作業をしながらあやしていました。

猫ちぐらは、つぐらをもとに飼い猫用にアレンジして考案されたもの。明治~大正時代に使われており、関川村の豪農・渡邉家の使用人であった本間重治さんが最初に作ったといわれています。

現在のような猫ちぐらを作り始めたのが昭和55年頃。その後、村おこしの民芸品として本格的に制作・販売を始め、愛猫家などから好評を得て人気が高まり、年々注文も増加したため、昭和60年に「関川村猫ちぐらの会」を発足し、組織的に制作するようになりました。現在は男女40数名が会員となり、一つ一つ心を込めて手作りしています。

手仕事が編み出す素朴な魅力と美しさ

猫ちぐらに使う稲わらは、村内の水田から刈り取ったコシヒカリとコシタンレイに限られます。天日干しで乾燥させ、ローラーにかけて柔らかくし、ハカマ(皮)を取り除いたものを使用します。最初に円形の底面を作り、下から上のほうに向けて壁を編んでいきます。ひと編みひと編み、丁寧に編み上げた猫ちぐらは、虫が湧かないよう最後に硫黄でいぶして仕上げます。完成するまで1週間ほどかかり、使用する稲わらは約20把。型紙などはなく、手から手へと受け継がれてきた技と経験が頼りです。

猫ちぐらの会では後継者の育成に力を入れており、現在30代の若手会員も作り手として活躍しています。ここ数年来、注文が殺到し、生産が追いつかない状態にありますが、手を抜くことなく制作しています。

関川村の暮らしの中で育まれてきた猫ちぐらは、今後も大切に継承され、たくさんの猫と人の心を癒し続けることでしょう。

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vol.17 2016
(PDF 12.1MB)

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