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トークネットのコミュニケーションマガジン

有限会社 佐藤養助商店

〒012-0107
秋田県湯沢市稲庭町字稲庭229
TEL.0183-43-2226
https://www.sato-yoske.co.jp/

佐藤養助 総本店
秋田県湯沢市稲庭町字稲庭80
TEL.0183-43-2911
営業時間/9:00~17:00
(見学9:00〜16:00、食事11:00~17:00)
◉総本店では工場をご見学いただけます。

熟練した技で作る 伝統の稲庭うどん

細く透明感があり、なめらかな舌触りが特徴の稲庭うどん。日本三大うどんの一つにも数えられる秋田の名物です。

古くから、湯沢市稲庭地区では地元産の小麦を使い、冬の保存食として干しうどんが作られていました。稲庭(佐藤)吉左エ門が製造技術を受け継ぎ、研究と改良を重ね、製法を確立したのが寛文五(1665)年といわれています。

この技法は、長らく吉左エ門家の一子相伝、門外不出でしたが、技術の途絶を心配した吉左エ門が2代目・佐藤養助へ特別に伝授。万延元(1860)年に創業しました。以来、160年以上にわたり伝統の技術を守り続け、現在も職人たちにより、すべて手作業で作られています。

稲庭うどんは、完成するまで3日間かかります。まず、特別にブレンドした専用の小麦粉に塩水を加え、手で練って団子状にまとめます。一旦寝かせて熟成させた後、さらに繰り返しをして熟成。生地を一定の厚さに延ばし、約3cm幅に切ります。切った生地を転がしながら角を取り、輪のように巻きながらたらいに入れ(小巻)、一晩熟成させます。2日目は、小巻にした生地を両手でよりをかけながら、2本の棒にあやがけする作業を行います。綯われた生地をローラーでつぶして平らにし、桁にかけ手でさすりながら120cm程に延ばし、補助乾燥します。3日目、中までしっかり乾燥するように状態を見ながら一昼夜乾燥させ、裁断。最後に、一定の太さになるよう一本一本確認しながら選別し、品質検査を行い、包装して完成します。

不変の美味しさを求め うどん作りを進化・継承

稲庭うどんを地場産業として定着・発展させ、「進化と継承」を理念に歩んできた同社。一昨年、総本店の隣接地に新工場を稼働させました。練る、綯う、延ばすという伝統の技は継承しながら、乾燥の工程や運搬作業などは新システムを導入し、業務の効率化を進めています。

また、職人をはじめとする担い手を確保するため、20年以上、毎年新入社員を採用。受け継がれてきた製造技法を若手に伝え、人材を育成しています。「新入社員は全員うどん作りを研修します。最初に手綯いを覚えます」と人材教育部の小松部長。同じ太さで均一に手綯いができるようになるのに3年程かかるそうです。「気温や湿度、季節により生地の状態が変わりますので、すべての工程で気が抜けません。最も神経を使うのが、1日目の生地づくりと最後の乾燥です」。こまめに状態を見ながら同じ味・品質のうどんになるよう、一本一本丁寧に作ります。

同社では商品開発も積極的に取り組み、今年は夏限定で素麺を販売しました。「素麺と稲庭うどんをセットにした商品が好評です」と秘書課の樋口さん。コロナ禍の影響はあったものの、定番商品のほかカップタイプの即席稲庭うどんや袋麺などの販売も好調。また、飲食を提供する店舗は秋田県内外に11店舗あり、多彩なメニューを展開しています。「幅広い方々に食べていただけるよう、創作的なメニュー開発にも取り組んでいます」と経営企画部の今野弘志部長。「地域の催事に合わせて、移動厨房車で近隣の老人福祉施設や養護学校に出向き、うどんを提供し皆さまに喜んでいただいています。伝統の製法を守りながら、メニュー開発などに新たな感覚も取り入れ進化させて、美味しいうどんを食べていただけるよう心掛けています」。

伝統食を中心に、地域や人々を笑顔でつなぎ、豊かな文化と熟練の技を未来へ継承していきます。

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vol.36 2021
(PDF 7.5MB)

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